患者さんのデータを解析するとき、個体差が大きくて知りたい要因の効果を検出することが難しいことがよくあります。もし、同じ患者さんから比較可能な2種類のサンプルを取れるなら、そうすることで検出力が大きく向上させられる可能性があります。というのは、それぞれの患者さんにおけるコントロールと比較対象の差を取り出すことができますので、その差の平均値と分散を解析することで、個体差に惑わされることなく調べたい要因の効果を調べることができるからです。
Subio Platform で Paired T-test を実行するには、Ratio to Control Samples ノーマライズブロックを使って、患者さんごとにコントロールを設定します。そうして、Compare to Control ツールを使って、One Sample T-test を実行します。
Paired T-test のやりかた
患者さんから取得したデータを扱うと、患者さんごとの個体差が大きくて、調べたい要因による差がわからなくなってしまうことがよくあります。このようなとき、同じ患者さんからControlと調べたいサンプルの二つを対で採取しておくと、患者さんごとに調べたいサンプル/Controlの比を取ることができます。そうすると、個体差のばらつきをキャンセルして、調べたい要因の効果だけを取り出してみることができるようになります。そのような実験デザインが組まれている場合は、Paired T-test を使うことで検出力が高まることが期待されます。
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v1.20.5009以降のバージョンでは、Ratio to Control Samplesにおけるグループの定義がより簡単にできるようになりました。
以下のムービーの24分30秒あたりからご覧ください。
Exploratory Analysis of TCGA-BLCA RNA Seq data
00:10 - 大きなデータセットを扱うためのメモリー設定
00:40 - GDCデータセンターから、サンプルをインポートする
01:30 - Seriesを作成し、GDCのサンプルアノテーションをparameterに設定する
03:50 - データの分布の形を見ながら、ノーマライズを設定する
06:20 - フィルタリング
08:20 - 主成分分析の結果から、クラスターを形成しているサンプルに印を付ける
08:50 - パラメータを視覚化して、解釈に役立てる
13:10 - 発現プロファイルに人工的な影響がないか調べる
18:20 - いくつかのサンプルを解析から除外する
19:00 - Tumorサンプルをサブグループに分類する
21:10 - サブグループ間で発現差のある遺伝子を抽出する
22:00 - Normal-Tumorが対になっているサンプルを抽出して、新しいSeriesを作る
24:30 - 患者さんごとに tumor/normal の比を作って、個体差をキャンセルした解析をする
27:00 - 発現プロファイルにおける「癌化」の影響を調べる
27:30 - 主成分分析の結果から、二つの「癌化」タイプを分類する
29:10 - 二つの「癌化」タイプの間で発現差のある遺伝子群を抽出する
30:00 - 結果を比較し、検討する
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