同じ遺伝子で、Measurementが複数ある場合があります。なぜですか?

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オンチップ レプリケート

マイクロアレイではよくあることですが、同じプローブがスライド上に複数回スポットされていることがあります。これをオンチップレプリケートと呼び、Subio Platformのデフォルトでは、測定値の中央値をSignalとして採用します。

同一遺伝子に設計された複数のプローブ

また、これもよくあることですが、同一遺伝子に複数のプローブが設計されていることがあります。これは遺伝子の異なる位置から選ばれていて、同じ遺伝子でも異なる発現パターンがみられることがあります。

このような現象に関して、最初の理由は生物学的なものです。もしスプライシングバリアントが存在するなら、これらプローブから異なる振る舞いが見えることになるでしょう。

もう一つの理由は、特にオミクスの性質に由来する実験上のものです。もしあなたがタイリングアレイや、RNA-Seqのマッピングの結果を見たことがあれば、遺伝子の異なる領域が異なる振る舞いをしているように見えることをご存知だと思います。その効果はランダムで、系統的ではないように見えます。オミクスは、真の状態を見るための道具ではなく、その影を見せてくれる道具にすぎません。

いずれにせよ、上記の理由から、その遺伝子の代表的な発現量を得るのに、異なるプローブから測定されたシグナルの平均値を採用するのは、あまりいい考えではないといえるでしょう。第一の理由から、それらは別々に扱われるべきシグナルです。そして第二の理由から、平均値をとることはあまり動かないところに収束する効果を生むので、発見のチャンスを失うことにつながります。

したがって、お好きなプローブを選んで、そのシグナル値を採用することをお勧めします。ご存知のとおり、オミクスは実験フェーズでいうと、候補をあげる段階です。ここでは何より偽陰性に注意しなければなりません。その後に続く実験で、候補遺伝子を注意深く吟味すればいいのです。